病名の解説

巨大乳頭結膜炎

ソフトコンタクトレンズのトラブルは乾燥とレンズの汚れが原因です。

目が乾く

これはソフトレンズの宿命です。ソフトレンズは40~70%の水分を含んでいるため、目に入れると涙が奪われます。レンズにより多少の差はありますが、完全に防ぐことはできません。

対策としては、1)レンズの上からの点眼、2)装用時間を短くする、3)ハードレンズに変更するなどです。

かゆい、めやに、レンズが上にずれる(巨大乳頭結膜炎)

ソフトレンズ装用者の増加に伴い、レンズの汚れによるアレルギーが急増しています。

ソフトレンズは汚れやすく、従来はケアが煩雑なものでした。

最近は簡単なレンズケア商品が数多く登場したため、消費者の混乱を招き、また使い捨てレンズに対する過信もあって、最も大切なレンズを外した後のこすり洗いをしない人が多くなりました。

その結果、もともとアレルギー体質の人が、従来型はもちろん、2週間交換タイプを使っていてもアレルギー性の結膜炎を起こすケースが増えてきました。

レンズの汚れによるアレルギーの特徴は、上まぶたの裏側にボツボツができ、レンズが上にずれやすく、見えにくくなります。

対策として、こすり洗いをしていない人は必ず行うようにして、

1.従来型レンズ装用者は2週間もしくは1日使い捨てに変更する。
2.2週間レンズ装用者は1日使い捨てに変更する。
3.1日使い捨て装用者はしばらく装用を中止する。

また、予防法としては
1.必ずこすり洗いをする。「こすり洗い不要」のケア用品を使わない。
2.眼科医の診察を受け、アレルギーの有無を確認する。

普通の眼科医であれば、事前にアレルギーの有無を確認(上のまぶたをひっくり返して)し、適切な指導を行います。

しかし多くの人がレンズを買う、「レンズ専門店」の、「眼科」の「眼科医」にはそれが不可能なようです。

またそれが可能な場合でも、店の都合で不適正なレンズやケア用品を使うことになってしまいます。
コンタクトレンズを使う場合は、眼科医の診察を受けましょう。

目が痛い

つけてすぐ

レンズの破損が考えられます。

つけていてだんだんと痛くなった

つけすぎによる酸素不足が考えられます。

①装用時間が長すぎる、②レンズの寿命、③レンズが目に合っていない のどれかが原因です。

このような場合は、装用を中止し、眼科で適切な指導を受けましょう。
また、「キズがついているからレンズはしばらくつけないで下さい」だけでは適切な指導ではありません。

レンズを外した後に痛みが強くなった

上記の酸素不足の他、「角膜浸潤」が考えられます。

角膜浸潤は、角膜の小さなキズがレンズの下で(ソフトレンズは装用感が良いためそれに気付かず)育ってしまった状態で、比較的良くある状態です。鏡で黒目を見ると、白い点が確認できる場合もあります。

角膜浸潤は放置し、さらにレンズの装用を続けると「角膜潰瘍」という、重症の病気になってしまうことがあります。

「レンズを外したら痛みが強くなった」場合は、とにかくレンズは装用せず、早めに眼科を受診しましょう。

疲れる、見にくい

これは、単純に近視が進行した場合と、乱視による場合があります。

乱視は生まれつき、ほとんどの人にあります。小さいうちは、自分で矯正する力が強いため問題になりませんが、次第に矯正する力が低下し、20代に入ると問題になってきます(乱視は進行するものではありません)。

特に、ソフトレンズは乱視を矯正が苦手なため、最近は乱視用のソフトを使う方も増えてきました。

乱視用に変更し、調子が良くなる人もいますが、中にはかえって悪くなる人もいます。これは、乱視用のレンズは普通のレンズ以上にレンズとの相性があるためです。

乱視用レンズはレンズの下の方に乱視を矯正する部分がありますが、ここが目の中で安定することが必要です(個人差があります)。ところがこれが不安定になると、かえって見にくくなってしまいます。この場合は、普通のレンズで度数だけを強くする方がうまくいきます。

また、乱視用レンズは、普通のコンタクトに比べ値段が高いため(利益が多いため)、その必要がないのに無理やり変更させられている場合もあります。この点には注意した方が良いでしょう。

「目にキズがある」といわれた

ソフトレンズは乾燥しやすいので、調子よく使っている人でも3割くらいの人には角膜に細かいキズができます。これには程度の差はありますが、多くは装用中の点眼を心がけることで問題はありません。

ところが、角膜にキズを見つけると、必要がないのにすぐにレンズの装用を中止させてしまう眼科医がいます。
こういうことが、「目を見ることができないからよく見ていない」、「レンズ専門店」の「非眼科医」だけでなく、「目は見れるが、コンタクトレンズに詳しくない」、「眼科専門医」に多く見られます。

この辺がコンタクトレンズの管理を眼科医から遠くしている原因でもあると思いますが、自覚症状もないのに「目にキズがついている」といわれた場合は、別の眼科を受診したほうがよいでしょう。

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