近視進行抑制治療

近視とは

外部から入ってきて光線が水晶体で、本来焦点を結ぶべき位置である網膜上ではなく、それよりも手前で焦点を結んでいる状態です。 近くのものにピントが合いやすい状態となっているため、遠くのものにピントがうまく合わないような状態となります。

近視は病気のリスクが高まります

緑内障、近視性黄斑症、網膜剥離などは近視の人に多い病気です。

近視は増え続けています。

近視の人の割合は世界的に増加を続けていて、現在は30%ですが2050年には50%になると予想されています。特にその傾向が顕著な中国、台湾、シンガポール、日本などの東アジアを中心に近視進行抑制に関する研究が行われています。

近視が進行する要因

遺伝的要因

両親のどちらかまたは両方が近視の場合は近視になりやすい傾向があります。

環境的要因

古くから物を近い距離で見ることで近視が進行すると言われていましたが、これに関しては今のところエビデンスはありません。代わって、屋外活動時間の減少が近視を進行させることが予想されていました。それが2020年からのコロナ禍による自粛の結果明らかになりました。今では1日最低40分から2時間の野外活動が推奨されています。

近視抑制治療

眼球の奥行き(眼軸長)は生まれたときには18mmで、成人になると24mmに成長し、中学生くらいまでに完成しますが、その間に過伸展が起こることが近視の進行です。つまり中学生までの時期に眼軸長の伸展を防止することは将来の眼疾患の予防につながる可能性があります。

当院で行なっている近視抑制治療には以下の様なものがありますが、低濃度アトロピン、オルソケラトロジーは保険適応されておらず、長期的なエビデンスがありません。ただ今の所重大な合併症は認められておらず、治療前より悪くなることはありませんので、お子様の眼疾患予防のため試しても良い治療であると思います。

低濃度アトロピン(マイオピン、自費診療)

古くから1%のアトロピンに子どもの近視抑制効果があることは知られていましたが、副作用が強いため実用化されていませんでした。2012年、シンガポールで0.01%の低濃度アトロピンを用いた試験が行われ、60%の近視抑制効果が認められ同時に従来の副作用がほとんど無いことが認められました。
現在広く用いられているマイオピンはシンガポール製で、0.01%と0.025%がありますが、副作用が少なくリバウンド(治療を注した後の近視の進行)が少ない0.01%が主に用いられます。1日1回点眼で、1本で1ヶ月〜1ヶ月半分です。

費用:1本3,300円、検査2,200円(税込)

オルソケラトロジー(自費診療)

オルソケラトロジーも以前からあった近視の治療法で、寝ているときに特殊なハードコンタクトレンズを装用することで日中は裸眼で生活できるようになります。それに加え近年。30~60%の近視抑制効果があることが確認され、広く行われるようになりました。
レーシックやICL(眼内コンタクトレンズ)などの屈折矯正手術と違い元に戻せるのが利点です。しかし、費用が高いことと中等度(-4.00D)までの近視しか適応でないことが欠点です。

費用:両眼165,000円(トライアル33,000円)(税込)、検査は無料

多焦点ソフトコンタクトレンズ(保険診療)

遠近両用のコンタクトレンズですが、オルソケラトロジーに匹敵する近視抑制効果が認められています。
市販されているレンズなので、保険診療可能なことが利点です。オルソケラトロジーが適応外になってしまった場合が良い適応です。

日本で販売されているレンズのうち、エビデンスがあるレンズとしては、ワンデーピュアEDOF(シード)と2ウイークデュオ(メニコン)があります。

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