病名の解説
か行
眼瞼けいれん
「眼瞼けいれん」とは?
眼瞼(がんけん)けいれんは、本人の意思に反しまぶたがピクピク動き、目が開きにくくなり、重症の場合はほとんど眼を閉じたままになってしまう病気です。最近ではやや認知されてきましたが、まだまだ眼科でも診断されにくい病気です。
明らかな原因は不明ですが、何らかのストレスが考えられます。
また、目の病気が原因になることはなく、視力に影響することもありません。
1)両眼性(本態性眼瞼けいれん、メージュ症候群)
2)片眼(片側)性(片側顔面けいれん)
があります。
片側顔面けいれんの場合、まぶただけでなく口のまわりにかけてもけいれんがみられます。
眼瞼けいれんの治療法は?
現在、最も安全・確実な治療法は、ボツリヌス菌の毒素をけいれんしている筋肉に注射する方法です。これはけいれんを永久に治してしまうものではありませんが、2~3ヶ月の間症状を抑えることができます。
「ボツリヌス療法」って安全なの?
「ボツリヌス菌」と聞くと怖い気がしますが、眼瞼けいれんで用いる量は少なく、きわめて安全です。
当院では平成9年5月から現在まで、延べ約1000回の治療を行いました。
90%以上の患者さんで症状の改善がみられ、特に片側顔面けいれんでは100%有効でした。。
副作用としては、注射部位の内出血と薬の効き過ぎによるドライアイがみられました。
とくにドライアイは片側顔面けいれんの方の初回注射の時には必ずみられます。しかし、2回目以降はほとんど問題になりません。
薬の効果は平均2~3ヵ月ですが、ほとんどの方は継続的に注射を受けていて,非常に満足度の高い治療といえます。
「眼が開きにくい」、「顔のけいれんが続いている」などの症状がある方は、一度試してみる価値があります。