症状から調べる

コンタクトの調子が悪い

「コンタクトレンズの調子が悪い」といっても、その原因はさまざまです。

  • 01レンズに問題がある場合

    a.レンズの寿命
    平均的な寿命は、ハードで2〜3年、ソフトで1年〜1年半です。しかしこれはあくまでも平均であって、個人差はあります。(以前は平気だったのに)⻑時間の装用で充血したり、痛くなるようになった場合は、寿命が考えられます。

    b.レンズの破損
    ハードレンズの場合は破損していたら装用できないと思います。しかし、ソフトレンズの場合は装用できます。レンズをつけてすぐに異物感がある場合は、破損の可能性があります。

    c.レンズの汚れ
    レンズの汚れによる症状は、「くもり」として現れる場合もありますが、「かゆみ」、「めやに」、「レンズがずれる」などアレルギー症状となって現れることもあります。

    d.レンズのカーブが合っていない
    ハードレンズの場合:「見えにくい」、「くもりやすい」、「充血しやすい」、「ずれやすい」などの症状があります。
    ソフトレンズの場合:カーブの種類は少ないため、ハードほど問題になりませんが、異物感や乾燥感などの症状がカーブの変更により改善される場合があります。

    e.レンズの種類の選択ミス
    色々なケースがありますが、アレルギーの有無やドライアイ、乱視の程度などを考慮されずにレンズを処方された場合、不具合が起こります。

  • 02レンズの使い方に問題がある場合

    a.レンズのつけ過ぎ
    ソフトレンズの場合:ソフトレンズは乾燥しやすく目に張り付き、つけ過ぎ症状が出やすくなります。寿命を過ぎたレンズで起こりやすいですが、使い捨てでも起こります。大切なのは、涙の量により個人差が大きいので、自分が安全につけられる時間を知ることです。
    ハードレンズの場合:ソフトに比べ格段に起こりにくいものの、寿命を過ぎればつけすぎになります。

    b.不十分なケア
    レンズの汚れやすさは個人差が大きく、汚れやすい人が「こすり洗い」をしないで使ってしまうと、そのレンズに対してアレルギーを起こしてしまいます。汚れやすい目かどうかは、眼科医が事前にチェックすれば大体分かります。しかし、コンタクトによるアレルギー性結膜炎は近年激増しています。この原因は多くのレンズ処方の場において、目の状態のチェックが不十分であるために、不適合なケア用品が選択されたり、説明も不十分であるためです。

  • 03目に問題がある場合

    レンズとは関係のない目の病気
    ※また、自分では調子が悪くなくても、異常が見られることもあります。

  • 04目に傷がある

    痛みや充血がないのに「目に傷がある」といわれた経験がある方は多いと思います。本当はレンズを中止する必要がないのに、中には1週間も中止させられているのをよく見かけます。症状もないのに中止させられた場合は、別の眼科を受診したほうがよいかもしれません。

  • 05血管が入っている

    ソフトレンズ装用者の方で、指摘された経験がある方もいらっしゃると思います。ソフトレンズの⻑期間装用で慢性的に酸素不足となり、白目のほうから黒目に血管が侵入してきます。視力に影響することはほとんどなく、多くの場合はそのまま様子を見てかまいませんが、程度が強い場合は装用時間を減らしたり、ハードに変更したりする必要があります。

  • 06角膜内皮細胞の減少

    角膜内皮細胞は角膜を透明に保つために働いています。角膜内皮は手術や外傷で障害されますが、まれにコンタクトレンズの装用でも障害されることがあります。角膜内皮の障害が高度になると、「水疱性角膜症」という角膜移植が必要な状態になります。

    角膜内皮が軽度に障害されても自覚症状はありません。また角膜内皮の状態は、眼科で普通の検査を受けるだけでは分からず、角膜内皮細胞測定装置によってはじめて分かります。

    この機械は、コンタクトレンズ装用者の検査には保険適用がされていません。つまり、検査をしてもお金にならないため、メガネ店などはもちろんのこと、レンズ量販店に付随した「眼科」などには機械自体がありません。当院では、コンタクトレンズ装用者に対し、無料で角膜内皮細胞の測定を行っています。

    特に、
    a.眼の手術を受けたことがある人
    b.酸素を通さないハードコンタクトレンズを⻑年使っていた人

    などは必ず調べておくべきだと思います。

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